多摩市にはこれまで迷惑をずっと掛けられてきた兄が住んでいて、これまでも連絡があるとお金を貸してくれと呼び出されて私も弟もうんざりしていました。
弟は兄の代わりに家業の豆腐屋を継いで、父が亡くなった時にはそれほど遺産があったわけではありませんでしたがいまだにその時に遺産相続を放棄したからというのがお金を借りる時の口癖で、もちろん借りたお金が返ってくることはありませんでした。
母が生きている時には私たちにお金を借りにくることはなく、おそらく母が私たちに内緒で兄にお金を渡していたことは容易に想像できました。

兄は中学の時から不良グループに入っていて、高校も中退してそれから一時は真面目に働いて結婚もしましたが、奥さんが子供を流産したことがきっかけで関係がおかしくなって離婚してしまいました。
それからはまた生活が荒れ出して、先日兄が多摩市の借りていたアパートで遺体で発見されたと連絡が来た時には真剣に何かの事件を起こしたか巻き込まれたと思いました。
弟と一緒にアパートに行くと、警察も来ていたので悪い予感が的中したのだとドキドキしながら部屋に近づくと、状況からして事件性はなく死因は心筋梗塞であることが分かりました。