[遺品整理 多摩市]
2021年03月13日
終活とご自身の遺品整理について
お世話になっております。
終活という言葉は非常に浸透し多種多様なサービスが出てきました。民間企業だけでなく、自治体や公共施設主導で終活セミナーが開催されるようになり、将来の事に備える意識が高まっているように感じます。2,3年前ですが、私の故郷の小さな町でも、町民向けの行政書士・遺品整理士・葬儀社・終活相談員が提供する終活合同講座が開催されたり、いよいよそういう時代になったかと思ったものです。それでもやはり、まだまだ先の事だから、とセミナーを受講したりテレビや雑誌、インターネットでの情報収集は行ってはいても、エンディングノートや財産目録、スマホ・PCの管理、生前整理等を実際に始める方はそれほど多くはないのではないでしょうか。
私は35歳の時に生前整理と遺影の撮影は既に済ませました。生前整理と言っても、不要な学習デスクを片づけたり、アルバムや思い出のおもちゃを仕分けして梱包したり、恥ずかしいものを処分した程度です。それと亡くなった祖母の部屋を和室から洋間にリフォームしたくらいですが、実家と私と家族の一区切りができたのではないかと思います。実家の相続・両親の資産についてはまだ何も始めていませんが、所帯を持った責任のひとつとして大切な事だと思っていますので、いずれ話し合わなければと思っています。
今回、このテーマを書くきっかけとなったのは、先日ヒアリングさせて頂いた女性との面談です。その方とは2016年7月のあるセミナーをきっかけに出会いました。このコーポレートサイトのトップページのスライド画像にあるセミナーの様子を撮影したものがありますが、そのセミナーでの縁です。ですので初めてその方とお会いしたのは今から約5年前になります。主催は川崎市麻生区にあるしんゆり資産管理株式会社様(諌山税理士法人)で、町田市のある福祉施設の食堂内で行われたもので私も登壇させて頂きました。私のセミナーの後、個人面談の時間があり、その時にお知り合いになった女性がいます。当時も熱心に質問され、SNSで友人たちと情報交換する活動的な方で当時91歳で印象深い女性でした。そしてつい先日、その方から「今、自分の終活を始めていて、そろそろ私自身の遺品整理の見積を取ろうかと思っています」とのお電話を頂き、施設の責任者様とケアのご担当者様同席の下、ヒアリングをしました。今年で御年96歳の女性です。なんと、自らノートパソコンを使って、「マイ エンディングノート」を打ち込んで印刷したものを束ねて管理されていました。そこには「何かあった時のお片付けはまるいち(当時の弊社の屋号)の高橋さん」と書いてありました。この仕事を始めて、数えきれないほど胸を打つ出会いや思い出がありましたが、ようやく社会の輪の中で遺品整理の必要性をあらためて感じ、だれかの役に立てられたのではないか、と感じました。なにからなにまで、自分の面倒は自分でみる、というのがすべてではありません。どうしてもご家族とうまく都合がつかず終活が進められなかったり、今の生活に追われなかなかそれどころではない、という事情も多いと思います。そのような中で、納得のいくように自ら主導で物事を把握し、それに責任を持つという方にお会いできたのは、素晴らしい経験だと思いました。この仕事は依頼を受けた時に手放しに喜べる事は多くありません。一方で、様々な人生を歩んだ先輩達や家族の絆に触れ、それぞれの縁が我々業者の心と経験を豊かにします。
この方がこれからも安心して過ごされる事を願います。